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事業承継の効果

今や、累積で1100兆円の国家の借金があって返せなくなっている。 それでもこれほどまでに財政赤字が悪化したのは、米国による日本の属国化政策の弊害による面がきわめて大きい。
日本の財政破綻状態を考える上でしっかり押さえるべきは、「日本の公的債務残高(財政赤字)が積み上がっているために、ドル暴落が回避されている」という事実である。 日本の公的債務残高は対GDP比で200%を超えている。
現在のGDPは実質で420兆円ぐらいだから、880兆円の中央政府(日本財務省)の分の赤字国債発行高のちょうど2倍になっている。 だから200%である。
そのために、資金の国際的な移動の面だけから見た場合は、日米問の国際収支不均衡(ワールド・トレイド・インバランス)の拡大が、かえって抑制されているのである。 だからドル暴落が回避されているのである、という厳然たる事実である。
日米は、資金面では、奇妙にこのように釣り合っているのである。 あるいは、初めから釣り合うように「日本経済と日銀は財政赤字を積み増せ」とアメリカから命令され脅迫されているのだろう。
為替が120円前後で安定するように、そのように日本のジャブジャブの通貨供給量が決定され、そのために金利も決められ、財政赤字額も増大させられるのだ。 国際経済学における初歩的な「アイ・エスバランス」の理論を理解していれば容易に納得できることである。

「IISバランス」とは、ケインズ経済学において、IISである。 すなわち旨くインベストメント(投資、資金の投入、融資すること)と、セイビング(貯蓄すること)は、必ず釣り合っているとする理論だ。
国際経済にまで拡張・拡大して考えると、日米問で釣り合っているのである。 日本が大きく個人貯蓄(セイビング)を総額700兆円ぐらいまで積み増している分だけ、その分だけアメリカの政府部門の財政赤字の額も、公表された分だけで800兆円(6兆ドル)ぐらいあって、これで二つの額が大きくは釣り合っているのである。
トータルで見た場合の世界経済は、このように、貸し金(投資、融資、他国の国債の買い、外国への債権)と自国内の貯蓄の総額が、大きくはケインズ経済学が教える「I,Sバランス」で釣り合っているのである。 この大きな理論さえが分からないようであれば、金融・経済の発言などすべきでない。
だから、「日本の財政破綻からやがて円相場が大暴落する(円安になる)」という議論や予測は的を射ていないものである。 F巻健史やW林栄四、A井隆といった諸氏にはもっとこうした初歩的な国際経済学理論を勉強してもらいたいものだ。
もちろん現在の財政破綻状態を考えると、どうしても日本国内で増税をしなければならないところに来ている。 日本からアメリカに不必要に資金が大量に、アメリカの政治圧力が原因で、米国債買いの形で流出している。
その総額が500兆円(4兆ドル)である。 日本国内には今や正味(ネット)で700兆円しか円建て資金がない。
だからアメリカに流出している日本人の資金を取り戻して、国内の1100兆円の財政赤字の穴埋めに使うべきなのだ。 が、アメリカが許すはずがない。
自分たちが奪い取った日本からの資金を、アメリカがスンナリと返すはずはないのである。 日本の財政が破綻してしまったのは、日本の中央集権的な官僚制度の弊害と、自民党政治家による利益誘導型の土建屋政治の弊害だと指摘される。
確かに間違った指摘ではない。 だが財政状態がほっておけば悪化するのは近代官僚制国家においては避けて通れないものである。

福祉(のための)国家、「福祉、福祉」と何でも福祉優先をお題目にし、表面のスローガンにしているのでなかなか避けられない。 そのせいで各省の福祉官僚たちがのさばって、国民への福祉を理由にしさえすれば予算が下りることに味をしめて、福祉予算を自分たちの強固な福祉利権にしている。
今や防衛費(軍事費)までが国民の公共福祉の予算の一種だと考えられている。 そこまで福祉国家の理念は真奪されている。
だから私たちはもう過剰な福祉国家の理念を主張してはならない。 老人福祉、障害者福祉を含めて、私たちは官僚どもの福祉利権に対して厳しい反対の態度をとらなければならない。
この点では日本のシステムだけが悪いわけではない。 世界中どこの国も似たようなものである。
だからなかなか緊縮財政策(ケチケチ経営の国家方針)はとれない。 緊縮財政に耐えられなくなっているのが、EU(ヨーロッパ連合)の諸国である。
EU諸国も、ヨーロッパ統一通貨である1999年からのユーロの導入をきっかけにして、加盟各国に強制して、それぞれに厳しい緊縮財政路線を採用させてきた。 その結果、不景気が続き、EU経済にも慢性的な不況状態が続いた。
ヨーロッパの一般民衆の不満の高まりを無視できなくなって、それぞれの国の政府では、厳しい目標とされた「財政収敵基準」の緩和を求める動きが強まっている。 ECBや欧州委員会との対立が深まっている。
私たちの足元ではドル・円相場は目下1ドル120円台まで円安・ドル高が進んでいる。 このドル高の動きについては、次のように普通は解説される。

FRBが今もポーズとしては利上げを続けていることで、先進国間での金利格差から、「ドルの金利高の動きはドルの強さの現われだ」として、ドル高・円安が今後も続く、と説明されることが多いのである。 実際にドルを買っている主体を個別に見てみると中東の産油国で生まれる「オイル・マネー」なのである。
ヘッジファンドのような投機筋も目先の超短期の動きではドル買いを続けている。 除けば、実需面(実体経済)では世界規模ではやはり俗に言う「オイル・マネー」と呼ばれる中東産油国の資金である。
原油価格の高騰(現在、1バレル別ドルまで上がっている)があったので、産油国が多くのドル建ての外貨を手にした。 その運用先として1口建てに替えつつある。
2001年9月日の「同時多発テロ事件」以降、米ドルに投資を集中させる姿勢を見直して、今ではユーロ建て資産への分散化を積極的に押し進めている。 中国もこの動きに出ている。
産油国と中国がドルをどんどん売ってユーロに替えているのだ。 2004年末に起きて今も続いている。
ユーロ高・ドル安の動きである。 ところが、2005年5月11日にフランスで、続いて、6月1日にオランダで、EU憲法の批准をめぐる国民投票(ナショナル・レファレンダム)が大差で否決されてしまった。
これで、EU政治統合に向けた動きにストップがかかってしまった。 このため、「オイル・ダーフー」が失望感を抱き、仕方なく米国債買い(ドル買い)に回帰したことで、それでドル需要が高まった。

この動きも一時のものであった。 その後は、イラク戦争へのアメリカの〃泥沼介入″の現状を察知して、アメリカの世界管理能力の低下と、アメリカ国内での不景気入りの様相を見て、またもや1口建てへの資金の移動が続いている。
今や、世界は、米ドルだけではない、ユーロとの二大基軸通貨体制にはっきりと移行したのである。 2001年9月下旬までは、アメリカはFRBが3%台の超低金利政策を維持した。
イラク戦争を始めた2003年3月の時は、ニューヨークのダウ平均株価は7600ドル台という、絶望的な安値であった。

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